いそいそ

最近「いそいそ」という擬態語の誤用例をいくつか見聞きした。





一つはある人気漫画。主人公のグループをやっかんでいた同級生がそれまでの態度を謝り、恥ずかしげに去る場面に「いそいそ」という擬態語が使われていた。ここは「そそくさ」や「すごすご」などが想定される場面だ。

もう一つは、家内が職場で雑談していた時の例を教えてくれた。仕事仲間が、誰かと少し言い合いになった話をしていて、


「ふだんああいう人じゃないのにねー」

「たまたま“いそいそ”していたんじゃない?」


という会話があったというもの。これは普通「イライラ」を使うところだ。ついうっかり言い間違えるタイプの人ではないので、「普段からそういう使い方をしているんだろう」とのこと。


へぇと気になってネットを見たら、「誤用しやすい日本語10選」とかいう記事に「いそいそ」が入っていた。いわく、「忙しい」からの連想で「せわしない様子」に間違える人が多いんだそうだ。


偶然かどうか、どれもネガティブ方向の意味に取り違えている。だが間違い方がまちまちなのを見ると、どうやら「役不足」や「失笑」のように誤用が定着しているレベルではなさそうだ。


そういえば、上記の漫画を見た時、「いそいそ」なんてずいぶん久しぶりに見たな、という感覚があった。語感的にもなんだか、ひと昔前のような響きを感じなくもない。もしかすると、最近は定着するほど頻繁に使われなくなったんだろうか。


ということは、もしかしてこの世の中、「いそいそ」する機会がなくなりつつあるのか?と、嬉しくない仮説が湧いたりする。



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by uedadaj | 2018-11-15 19:13 |


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