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震災後の言葉

余震がなかなか収まらない中、大震災や原発事故の情報を見ているうちに、
年末の「新語・流行語大賞」のことを思い出した。



震災以降、ニュースが変わり、広告も変わった。もちろん人々の気分も大きく変わった。
で、日々いろんな関連語が生まれ、飛び交っている。

いくつかは、きっとノミネートされるだろう。
「東日本大震災」という言葉自体、大賞をとって今年を象徴する言葉になるかもしれない。
だが、事態は動いている。状況が変わり、既に用済みになった言葉もある。
今のうちに、目についた言葉を拾い上げて貼り付けておき、
年末に改めて眺めてみようと思った。

ただ今回の災害は深刻で長期化が確実なので、
単純に「新語・流行語」として扱われるかどうか微妙な言葉もある。
その辺も含めて、軽く分類してみた。


【レベル1】 かなり入賞に近そうな言葉       

□がんばろう日本
(1995年の時は「がんばろう神戸」が選ばれていた。あのイベント好みの言葉だと思う)

□正しく怖がる
(問題は何が「正しい」のかよく分からないことだ)

□直ちに健康に影響を及ぼすレベルではない
(わかってます。正確を期すればするほど、断言はできなくなること。でももう少しいい方があるだろう)

□自粛
(以前、昭和天皇崩御の時にも流行った。その時は入賞しなかったが、今回は可能性が高いと思う)

□不謹慎
(むしろ、「不謹慎」という言葉を乱発する向きに対する批判としての使用が目立つ気がする)

□ポポポポーン
□こだまでしょうか、いいえ…
(作者は、こんな大掛かりで暴力的な流行り方をするとは思わなかったろう)

□可能性はゼロではない
(5月下旬時点で、第一原発1号機の「最臨界」の可能性について原子力安全委員長の斑目氏が発した言葉。現在の日本の議論の状況について考えさせられた。いつか書きたい)

□脱原発
(これがワードとして成立したのはいつ頃だっけ。とにかく、インパクトといい「問題のなさ」といい、本命に近いかも)


【レベル2】 賞まで行かなくとも、ノミネートはされそうな言葉 

□風評被害
(鳥インフルエンザ、ギョーザ、口蹄疫…日本は以前から風評被害に事欠かないから、今さらかな?)

□ミリシーベルト、テラベクレル
(一方は「ミリ」でもう危ない、もう一方は「メガ」「ギガ」のさらに上。一緒に語られると頭の整理がつけにくい)

□節電
(これまで流行やイメージ戦略だった節電が、「使命」になった。でも昔からある言葉だからなあ)

□想定外
(2005年に堀江貴文氏の「想定内」が入賞しているので、今回はなしかな)

□発想がなかった
(津波の翌朝に核燃料が1,000度以上の高温になったことが6月になったから発表された。その際の「隠す意図はなかったが、国民に示すという発想がなかった」というコメントから。応用がいろいろ効きそうなフレーズだ)


【レベル3】 今後の展開によってはノミネートが微妙と思われる言葉 

□枝野寝ろ
(原発事故が早期収束すれば彼は英雄だったろう。だが既に評価が変わり、この言葉も使われなくなった)

□レベル7
(今は平気で雑誌の見出しにもなっているが、そのうちシャレにならなくなったりして…)

□緊急避難準備区域 or 計画的避難区域
(これも、みんなが覚える前に口に上らなくなるか、シャレにならなくなるか。できれば前者であってほしい)

□◯◯km圏
(今のところは20、30km圏。徐々に数字が大きくならないことを切に祈る)

□計画停電
(早々に中止されたので、このまま行けば忘れられるだろう。だが復活のおそれもなくはない)

□ホットスポット
(この春までNHKが同タイトルの動物番組をやっていた---えっ、6月にもやるんだ??
 ...とにかく、5〜6月にかけて、「放射線の強度が強くなっている地点・地域のこと」の意味が急速に定着。
 だがこの言葉もこの先の推移によっては、「流行語」のレベルで済むかどうかわからない)


さらに、
【レベル4】 広く知られたものの、たぶんノミネートはないと思われる言葉 

□ずっとウソだったんだぜ
(最近はマスメディアも東京電力を盛んに批判するが、この歌はとうとう取り上げなかったようだ)


とりあえずこんな感じじゃないだろうか。今後も適宜更新したいと思っている。
見落としもあると思うので、ご指摘をいただければ幸いです。

ただし。
その上のレベルも考えられる。

【レベル5】 どの言葉もノミネートされない 

つまり、事態が更に悪化して「そんなイベントをやっている場合か」と、
賞自体が中止になるケースだ。
by uedadaj | 2011-04-20 18:14 |


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