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uedada《日本創意文案》



というわけで11月28日、僕の本が出版された。

【業務連絡(笑)】
「博友会」の皆さん、新年会では誠にお世話になりました。
上記の本にご関心をお持ちの方は uedada[アットマーク]gmail.comまでメールをください。
あの時説明しきれなかった詳細をご説明致します。




...らしい。

何しろ、台湾で出版されているので、いまいちリアリティを感じないのだ。でも現地の網友が書店に並んでいる様子をブログに載せてくれたし、この週末にはやっと刷り上がりのサンプルが届いたので、たぶん本当に売ってあるんだと思う。

4年ほど前から中国語ブログ「23區24小時--東京碎片」をやっているが、そこに書いたものをふるいにかけて、多少改訂を加え、おまけコンテンツも少々つけて、本の形にしたものだ。

改訂作業のために、40近い過去の文章を、改めて読み直した。数年前の文章などは内容を忘れているものもあったりして、結構新鮮だ。「おお、昔のおれって、割とイイこと書いてんじゃん...」なんて思ってるのはしかし、最初のうちだった。

よくわからないのだ。自分の書いた中国語が。

もとよりマトモな中国語が書けているつもりはなく、「多少変でもまあ、日本人なりの味ってことで」とか思っていたが、読み返してみると「多少」では到底すまない。センテンスが長過ぎたり、変な所に助動詞があったり、明らかに誤用だったり。言い回しもこなれていないので、ロジックがちょっとムリヤリだと読むに堪えなくなる。今更ながら読んでくれた方々に申し訳なく思いつつ、今見て大体わかるように直して編集に渡した。

だが数日後、編集から返って来た原稿をみて、再び凹まざるをえなかった。

原稿はワードでやりとりしており、ボタンを押せば修正個所が下線&色替えで表示されるようになっているわけだが、見てみると一文字置きぐらいの勢いで修正されている。段落全取っ替えの部分もあるので、全体としては修正率7、8割か。今度は編集さんに申し訳ない気分になった。

こちらの作業としては、再び全文精読して変更個所を調べ直し、元の意図とズレていないか確認し、ズレている個所は「いやそうじゃなくて、こういうことが言いたかったんですけどね」と、原稿にコメントを挿入する(相変わらず変な中国語で)。

ところが、その作業を進めていると、「そうじゃなくて」と指摘する個所が、意外と少ないことがわかってきた。つまり、表現を全取っ替えせざるを得ないような変な文でも、「一応こちらの意図は通じているんだ」と、妙な安心感を持つに到った。あっぱれ、編集の張さん。
(もちろん、全然違う風に解釈されて、何度かやり取りした個所もある)

見たことのない言い回しに直されて、慌てて辞書を調べる個所も多かった。たまに困ったのが、書き換えられた単語が手元の辞書に載っておらず、確認できないことだ。考えてみれば、「台湾で標準的な言い回し」に直されているわけだから、大陸の中文ベースの日本の辞書にない言い方があるのもまあ、仕方がない。グーグルの台湾版などで検索し、意味を推定したりして対応した。一方で、意外と日本語そのままの言い方でOKな部分も多かった気がする。

大変だったが、かなり勉強になった。本を出したおかげで、プロの方の添削を受け、いろいろと新しい表現を覚えることができた。

...いや、違うな。まだ「勉強」にはなっていない。

原稿を見ている時は、覚えるどころではなかったから、これから自分の本をテキストとして「復習」しなければならない。つまり、あと一回読み直すことになる。ここに書けるネタも結構見つかるかも知れない。


【附記】
※台湾の新聞「中國時報」の12月14日休日版の新刊書のお知らせに、
 この本がちょっと紹介されたらしい
 見に行けないのがもどかしいが、書き留めておく。
 ...それにしてもこの記事中、「文字淺白幽默」の「淺白」ってなんだ? XD

※12月15日、台湾のネット書店「博客來網路書店」のメルマガらしきものに
 取り上げられているのを見つけた。
 実は文中で、紹介文の筆者は読者に謝っている。
 「很抱歉,這真的不是一本講日本創意文案的書。」(XD)
 "これ、ほんとは広告のコピーについての本ではありません、ごめんなさい"だそうだ。
 わはは。紛らわしータイトルですみませんXD
by uedadaj | 2008-12-08 17:33 | 極楽


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