Caran d'Ache

カランダッシュ(Caran d'Ache)という筆記具メーカーがありますね。高級ボールペンや色鉛筆で有名な。

あの社名、「d'」とか「ache」などという綴りがあるので、当然フランス語だよね〜はいはい。と思っていたら、実はロシア語の「карандаш(鉛筆)」が語源なんだそうな。

少し詳しく言えば、それを雅号にしていたロシア系フランス人画家にちなんで命名したものだとか。これはなかなか意外だった。確かに手元のフランス語辞典を繰っても「caran」という語は載っていない。うまく化けたものだ。

でも、それだけなら別にここには書かんのです。




ある言語学者の本(黒田龍之助先生の著書だったような気がするが定かでない)によれば、そのкарандаш(ローマ字に写すとkarandash)はトルコ語源であり、一説ではkara(黒い)+taş(石)と言われている、と。

なんと。つまり黒鉛のことか?!

「カラ」と言えば、思い出されるのがシルクロードのカラホト(黒い城)、そしてカラコルム(黒い砂礫)。トルコ語からモンゴル語に至るアルタイ系の言語の中では知らぬ者のない(そんなこともないか)有名単語です。果ては一時期、日本語の「クロ」もここから来たんじゃないのと言われたほどの。

その言葉が紆余曲折の末いつしかロシアに定住し、フランス風の澄ました顔をして、スイスのおしゃれなペンに息づいていると。

ここまで知ればもう、たまらん。頭の中には壮大なユーラシア大陸横断ルートマップや、いにしえのロシアvsトルコvsヨーロッパの勢力図などがぐんぐん広がっていくわけです。うおお。

別に広がりませんか。そうですか。

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by uedadaj | 2014-01-27 19:05 | | Comments(0)


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