【2535】忘年會的「忘」

(台湾《2535雜誌》2009年12月号掲載--掲載文は繁体中文)




<テーマ:忘年会>
忘年会の「忘」

12月になると、巷に胃腸薬の広告が増えてくる。この季節、胃腸薬の助けを必要とする人が多いからだ。原因は仕事のストレスなどではなく、幾度にもわたる宴会である。

年末にやる宴会のことを、日本では「忘年会」という。年末、と言っても、実際は12月上旬から忘年会シーズンに入り、会社ごと、部署ごと、あるいはプロジェクトチームごとに、飲食店の一角を予約したり全フロアを借り切ったりして、場合によっては懇意にしている取引先の人も招いたりして行う。

大概の会社員は複数の仕事を抱えているため、忘年会が一度で済むことは少ないようだ。1人あたり平均2〜5回参加するというデータもあった。人によっては12月いっぱい毎週忘年会で飛び回ったり、ある週の夜は毎日忘年会の予定でぎっしり、ということで仕事をする暇がとれないというケースもあるようだ。またそれとは別にクリスマスパーティをやったりするから、消化器にとってどれほどの異常事態かわかるだろう。

そうまでしてやる忘年会、いったい何を「忘」れようというんだろう。実はこれ、日本人自身にもよくわからない。それというのも、「忘年会」(日本語の古い形で年忘れ)の由来は意外と古く、
起源は12世紀とも14世紀とも言われているようだ。一部には中国語の「忘年の交」が語源とか、「一歳老化する悲しみを忘れるための会」だとかいう説もあるが、とりあえず現代の辞書では「その年の苦労を忘れるための会」というような解釈になっている。楽しいこともあったはずだから、その"年"を丸ごと忘れることもないだろうと思うが、昔の日本では世の中のことを「憂き世(つらい世の中)」とか言っていたそうだから、基本的に、世の中のマイナス面に目を向けてしまう国民性なのかも知れない。

ただ今年(あ、もう去年ね)に関する限り、年を丸ごとさっさと忘れて次に行きたい、という人は多いだろう。どの業種でも相当の逆境に見舞われ、給料が減ったり、業績が伸び悩んだり、経済的に大変な目にあった人がひときわ多かった年のはずだ。外食産業も例外ではない。彼らにとってみれば、人々の飲食量が倍加する12月は、一年で最大、最後の稼ぎ時。

この文章を書いている時点(10月)では、まだ忘年会の予約受付は始まっていないが、新宿の繁華街など歩いてみると、料理の値段を異常に下げて客を寄せようという飲み屋の看板などが目につく。忘年会シーズンにも「激安」で売り込む店が続出することは、想像に難くない。

安く宴会できるのはもちろん有り難いと思うが、ただ、年末に何度も激安忘年会に出かけるクチの人々なんかは、むしろ今年の不景気を却って思い出す会になってしまうんじゃないだろうか。

(中文版はこちら)
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by uedadaj | 2010-01-16 16:05 | 散歩


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