【2535】赤坂一家電視台的「只顧懷古」

(台湾《2535雜誌》2009年11月号掲載--掲載文は繁体中文)




<テーマ:ドラマ>
赤坂のテレビ局の「ひたすらレトロ」

赤坂で4時に打合せ終了。1時間ばかり後に、近くで知人と会う約束がある。この中途半端な空き時間をどうやってつぶそうか。

...そうだ、赤坂には民放テレビ局TBSの本部があった。去年新社屋が完成して、イベント広場みたいなのもできているはずだ。この辺はよく通るけど、ちゃんと見たことはなかったから、この際行ってみるか。

その区域は地下鉄赤坂駅からの真上に位置し、エスカレーターが直接、TBSのビルへ続く通路につながっている。通路の天井には、今放映されているテレビドラマを紹介する横断幕がずらりと掲げられている。
たとえば、
『オルトロスの犬』滝沢秀明演じる悪役と錦戸亮のヒーローが対決するサスペンスドラマ。
『こち亀』香取慎吾が主演している、1976年から続く長寿漫画のドラマ版。
『となりの芝生』1976年に放映されて人気を呼んだ、嫁姑の確執を描いた名作ドラマのリメイク版。
『官僚たちの夏』実在の官僚や政治家をモデルに日本の高度成長期を描いた、1975年の小説のドラマ版。
そして『水戸黄門』今年40周年を迎える、江戸期の有名な大名のご隠居が全国を旅して勧善懲悪する時代劇の40シーズン目。

...て、おいおい。
なんで3、40年も前に流行った懐かしいネタばっかりやってんのこの局は?滝沢くんと錦戸くんの今風のサスペンスが浮いてるぞ。

ここで思い浮かぶのが、「レトロ(懐古)」というキーワードである。

1980年代から現在まで、いわゆる「レトロブーム」は何度か日本に起きた。最近のものは、漫画「三丁目の夕日」の映画化に代表される2005年からしばらく続いたブームだ。このブームを支えた人々の心情は、「かつての貧しい日本にあった、のんびりした空気や人間味」を懐かしむ気持ちと言えるだろう。今回このテレビ局に見られる30年前オンパレードも、上記の延長線上にあると言えなくもないが、懐かしむ対象が少し違う気がする。

たとえば上述の官僚ドラマは、三丁目の夕日と同じ時代の話だが、描かれているのは、すでに成長を自覚した日本社会が、お上の指導のもとにパワフルに突き進む姿だろう。嫁と姑の戦いのドラマも、二世代同居についての問題提起というより、トラブル続出でぶつかり合いながらも簡単に関係をきろうとしない、「家族」大事の時代の絆の強靭さを懐かしむようなところがあるのかも知れない。水戸黄門とこち亀に至っては、実は昔を懐かしむコンセプトではなく、1世代も前から続いている作品そのもののパワフルさである。

つまり、これらに共通するテーマは「人間味があった日本」ではなく、「エネルギッシュだった日本」への郷愁ではないだろうか。

他の局を見れば、人気漫画をリメイクしたり、今話題の社会問題を取り上げたり、海外ドラマに頼ったりといろいろだ。そもそも日本のテレビドラマは全体的に人気が低迷しており、どのドラマが当たるという保証も何もない。でも、この局のレトロなラインナップは、経済、社会、政治と不安要素の多い中、何か確かなものに頼りたい日本人の気分を意外とぴったり表している気もするのである。

(中文版はこちら
[PR]
by uedadaj | 2009-12-15 09:59 | 散歩


<< 【2535】忘年會的「忘」 【2535】惠比壽一家卡拉OK... >>