【2535】澀谷PARCO的「涉谷」(日本語版)

(台湾《2535雜誌》2009年4月号掲載--掲載文は繁体中文)



2月の初め、渋谷駅の入口に、渋谷パルコの看板が貼ってあった。たぶん春節休みに東京へ遊びにきた華人に向けたもので、中国語(簡体字)のキャッチコピーが書いてある。

「欢迎光临 谷PARCO」

SHIBUYAは繁体字では「澀谷」、簡体字では「涩谷」だが、日本語では「渋谷」が正しい。もちろん渉は全く別の字で、「shibu」とも読まないから、日本人が 「涉谷」と書くことはない。だが今や、台湾や中国、香港のサイトをググってみると、「涉谷」の数がほとんど「澀(涩)谷」を超える勢いなのに驚く。

「涉谷」と書きたいのも分からなくはない。「渋」はぱっと見、「澀」や「涩」と同じ字とは到底思えない。日本語をよく知らない人が「渋」が何の字かわからず、PCでもなかなか出ないので、形が似ている「涉」の字で代用したとしても仕方がない気がする。それに、東京に来て駅の路線図などで「渋谷」を探す時、正しい「澀谷」や「涩谷」より「涉谷」を知っている方が役立ちそうだ。

だがなんで「渋」の字と古い形の「澀」はこんなに違いができたのか。手元の漢字字典で調べてみると、澀という字の旁の「刃刃」と「止止」はもともと、上下から進んで来た両足がぶつかってそれ以上進めない様子(刃は止をひっくり返した形)だそうで、たとえば「渋滞」なんかの意味を実にうまく表している。後にそれが省略され、「澁」を経て「渋」になったそうが、その時点でなぜか、上側の足の方向がひっくり返って全員同じ方向を向いてしまった。

一方「涉」の字は、水の中で右足と左足を交互に踏みしめて歩く様子だそうだ。つまり「足が同じ方向を向いている」という意味においては、「澀」や「涩」より「涉」の方が「渋」に近い。...とまあ、「涉谷」と最初に書いた人がそこまで考えたとも思えないが(笑)。

ともあれ、東京でもかなり前から、華人向けの店の看板や、華人が発行する中国語の新聞などに、たびたび「涉谷」という表記を見かける。でも、日本人の側からこの表記を受け入れて、しかも公衆の目につくショップの広告に使ったのは見たことがない。「変だ」と笑う日本人も多いかも知れないが、僕はパルコの決断に感心した。この広告では顧客を華人の若者に絞り、彼等の分かりやすさを第一に考えて、敢えて正しくない表記を採用したと思ったからだ。

駅は人が多く、写真が撮りにくいので、現地のパルコまで行ってみた。すると、駅の広告と同じものが正面の壁に貼ってあり、その上にでかでかと中国語で。

「欢迎光临 谷PARCO」

おいおい、せっかく広告では実用性を追求したのに、店ではやっぱり正しい方に戻るのかい。ちゃんと調整しとけよ、パルコ。

※元ネタ:語句楽散歩 渋 と 渉
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by uedadaj | 2009-04-26 16:58 | 散歩 | Comments(4)
Commented by 小學生 at 2009-04-27 03:07 x
我覺得,外國人把 "澀/涉" 混為一談就不對了
居然日本企業也 "傻傻分不清楚",太離譜啦!
Commented by uedadaj at 2009-05-14 17:44
我覺得目前還可以,
但這影響到日本年輕人就是有問題的。
Commented by ぺカン at 2009-05-16 01:32 x
いつも面白う読んでます、ブログを読むと元気なんだな~と一安心・・
コメントが又其々興深く面白い・・ 中国の方が多いのでしょうね?次が愉しみ(^u^)
Commented by uedadaj at 2009-06-05 11:35
おそれいりますどうも^_^;;


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